◎参院選、攻勢的に党を語り必ず勝利を/5中総の感想と決意

 25日に党本部と全国をオンラインで結び開かれた第5回中央委員会総会・「参議院選挙必勝 全国決起集会」の視聴者から寄せられた感想を紹介します。
群馬県の感想から
党の政策確信に
 国連憲章・国際法を無視した無法な戦争行為に対して軍事によらない外交による解決――ブレない方針に誇りと自信を感じる。対話を広げる新たな活動を進めるために党内での情勢学習、政策学習が日常的に必要であることを痛感している。あらゆる角度、切り口で「党を語れる」力をつけたい。(群馬)

( 2025年06月28日  党活動  掲載 08頁 著作権=通信社及び外部) 

◎平和外交しかない/塩川議員・高橋候補宣伝/群馬・太田

 日本共産党の高橋たもつ参院群馬選挙区候補と塩川鉄也衆院議員は26日、群馬県太田市役所前で街頭宣伝し、市内の経済団体とトランプ関税について懇談しました。
 街頭宣伝で高橋氏は、米軍のイランヘの核関連施設への攻撃を批判し、万が一日本が戦争に巻き込まれれば原発が危険になり、そうならないためには平和外交しかないと呼びかけました。塩川氏は、国会では消費税減税が大きな争点になったが、与野党逆転した国会の特徴だったと報告し、導入前から反対を貫いてきた共産党の主張が財源も示した唯一の対案だと訴えました。
 水野正己市議の紹介で行った太田商工会議所との懇談では、同商工会議所が工業部会の会員の中小企業108社を対象に行った「米国による関税引き上げに伴う緊急アンケート」(4月11日〜5月9日)の結果について、専務理事とアンケート担当者から高橋、塩川両氏らが説明を受けました。
 アンケートでは関税引き上げの場合の影響として「取引先の生産調整による受注量の減少」が65・7%と他を大きく引き離しています。要望する支援策では(1)支援金の支給(56・5%)(2)ゼロゼロ融資(42・6%)(3)雇用調整助成金(31・5%)が上位となっています。
 塩川氏は「国際的な流れにも逆らう異常な関税引き上げは許されない。そのことを政府がトランプ大統領にきちんという必要がある」と話しました。同会議所の専務理事やアンケート担当者とは、中小企業への賃上げ支援の重要性でも一致しました。
( 2025年06月28日  首都圏版掲載 11頁) 

◎第5回中央委員会総会・参議院選挙必勝全国決起集会/田村委員長の幹部会報告/その1

 日本共産党が25日に開いた第5回中央委員会総会「参議院選挙必勝全国決起集会」で、田村智子委員長が行った幹部会報告は次の通りです。
群馬県のことに触れている部分です。
賃上げ――中小企業への直接支援、大企業の内部留保を賃上げに
 政府の「骨太方針」では「減税より賃上げ」をかかげ、自民党の参院選政策でも「2030年度に100万円の賃金増加」と掲げましたが、そのための具体的な政策が何もありません。
 自公政権の最大の問題点は、わが党が提唱している政治の責任で賃上げを進める二つのカナメの問題――中小企業への賃上げ直接支援、大企業の巨額の内部留保を賃上げに回す仕組みをつくる――に、背を向け続けていることです。
 すでに、岩手、群馬、茨城、奈良、徳島では県独自の賃上げ支援に踏み出しました。「最低賃金は全国一律1500円」をただちに実現し、1700円をめざす、そのための賃上げ直接支援をと大いに訴えましょう。労働時間短縮で「自分の時間」「自由な時間」をという、わが党の政策にも大きな共感が寄せられており、「賃上げと一体に時短も」という訴えも大いに発展させましょう。

( 2025年06月26日  特集1面 掲載 04頁 著作権=赤旗)

◎入札妨害疑いで逮捕/自民群馬県議団長ら

 群馬県桐生市が発注した新庁舎建設工事を特定の共同企業体(JV)に落札させたなどとして、埼玉、群馬両県警の合同捜査本部は19日、公契約関係競売入札妨害の疑いで、自民党群馬県議団長、相沢崇文容疑者(49)=同県桐生市=ら4人を逮捕しました。捜査本部は認否を明らかにしていません。
 他に逮捕されたのは、「関東建設工業」(同県太田市)営業部長、石原秀光(75)=同県伊勢崎市、総合設備企業「グンエイ」(同)社長、蓮沼敏美(72)=桐生市、同社役員新井教男(55)=栃木県足利市=各容疑者。
 逮捕容疑は2022年6月中旬以降、桐生市の新庁舎建設工事の一般競争入札で、市に関東建設工業の意見や要望を反映した公告をさせるなどし、同社が代表のJVに落札させて公正な入札を妨害した疑い。

 捜査本部などによると、相沢容疑者らは市の公告案を事前に入手していたといいます。入札は22年7月に公告され、同10月、関東建設工業など4社で構成するJVが落札。グンエイは下請け受注しました。
( 2025年06月21日  社会面  掲載 13頁 著作権=通信社及び外部)

◎保育合研in群馬/8月2日〜4日、準備進む/つながり&子育て/一緒に学び交流

 保育者や保護者、研究者らが集う、第57回全国保育団体合同研究集会(保育合研)が8月2日から4日まで、群馬県で開かれます。テーマは「こころをつなごう 手をつなごう あふれる笑顔と平和のために」。群馬でつながり、保育や子育てのことを一緒に学び、交流できる集会にしたいと、開催地実行委員会は昨年6月から準備を進めています。
 (二宮亜里)

 5月21日の夜、前橋市の社会福祉法人あゆみ会あゆみ保育園に、実行委員のメンバーが150人以上集まりました。8回目の会議です。
 1回目の会議から毎回100人以上の保育者、保護者が集まり、「どんな保育合研にしたい?」「どうやって宣伝する?」などの議論を重ねてきました。
 この日の会議は、8月2日の全体会で披露する朗読と合唱「プロメテウスの火」の練習から始まりました。プレ企画の講演会や園を超えて保護者交流会を行ったという報告、地域のマラソン大会に“合研Tシャツ”や宣伝タスキ姿で参加して激走したメンバーの表彰式も。仕事を終えて県内各地から集まってきた保護者も保育者も、みんなが笑顔です。
 開催地実行委員長を務める熊倉慧(けい)さん(高崎健康福祉大学農学部准教授)は、仕事用のジャケットの下に合研Tシャツを着て参加しました。保育園の保護者会活動に10年以上取り組んできた、子育て中の父親です。
 「園で保護者が中心になって劇を上演する取り組みの中で、『大人が本気を見せることは子どもに伝わる』と教えられました。私たち保護者が、真剣に物事に取り組む子どもの姿に感動を得たことも、一度や二度ではありません。子どもにかかわるすべての人々が一つとなって、群馬が本気で保育合研に取り組むことが全国に伝わり、人々の絆を強いものにしてくれることでしょう。大変ですが、本気で、楽しみながら成功させたい」

進む“世代継承”
 群馬の保育者たちは、1969年の第1回保育合研から関わってきました。群馬県保育問題連絡会事務局次長の石川芳子さんは、「開園から50年以上の歴史をもつ保育園がいくつもあり、月に1回の『うたとリズムの会』が60年以上も続いています。コロナ禍でも途切れませんでした。保育者、保護者、大人になった卒園児などの交流も盛んで、創造的な発想がたくさん出てきます」と話します。
 群馬が開催地になるのは2回目。前回は、2011年、東日本大震災と福島第1原発事故が起きた後の第43回集会でした。みんなに元気になってもらえる集会に、と取り組んだ世代から、「保育合研に初めて参加する」という若い実行委員にバトンタッチが進んでいます。
 「2回目とはいえ大変だと思っていましたが、実行委員会が始まるとアイデアが次々に出てきて、日々の保育にも張り合いが生まれています。楽しくやろう、みんなでやりながら“つながる力”をつけようと思っています」と石川さん。

平和の学び深め
 「群馬らしい保育合研にしよう」「保護者を置き去りにしないでほしい」という意見も、会議で出されました。自由な議論が積極的に交わされる実行委員会では、「平和でなければ保育はできない」とも。前橋空襲を題材にした紙芝居を見たり、元教員で群馬県労働組合会議議長の石田清人さんから、学校現場で戦争や平和がどのように教えられているかを聞いたりして、学びを深めています。
 渋川市の保育園園長、大前ちえりさん(49)は「学んで交流して良い保育がしたいという同じ気持ちで、参加者とつながれるのが保育合研だと思います。職員や保護者に声をかけていきたい」と意気込みを語りました。

保育合研の企画案内
◆全体会(ライブ・録画配信あり)
 8月2日(土)午後1時〜4時半、高崎アリーナ。保育・子育てフォーラム「感じる、知る、つながる 豊かな保育・子育てを」、開催地企画など。
◆保育・子育て講座、会場分科会(一部ライブ・録画配信あり)
 3日(日)午前10時〜午後4時、高崎アリーナ・Gメッセ群馬・共愛学園前橋国際大学。
◆保育制度講座(録画配信あり)
 「保育制度・政策のさらなる改善をめざして」=3日(日)午前10時〜午後0時半。「教育・保育のデジタル化と、子どもの権利を尊重する保育の探求」=3日(日)午後1時半〜4時。どちらも共愛学園。
◆全体会(ライブ・録画配信あり)
 4日(月)午前10時〜午後0時半、高崎アリーナ。龍谷大学名誉教授・白石正久さんの記念講演「いのちを守り、豊かな発達を保障するために、今、大切にしたいこと―群馬から平和と人間発達への願いを込めて」など。
◆オンライン分科会(録画配信なし)
 8月9日(土)午前10時〜午後4時。事前申込制(定員あり)。
 ◇
※参加費7000円(学生4000円)。申し込み締め切りは7月9日(水)
※主催・問い合わせ=全国保育合研実行委員会 電話03(6265)3171。詳細は合研特設サイトで。
( 2025年06月18日  くらし1面掲載 10頁 著作権=赤旗) 

◎議会だより/県民会館廃止に反対/酒井氏「丁寧な説明なく拙速」/群馬

 日本共産党の酒井宏明群馬県議は13日、第2回定例会最終日の本会議討論に立ち、県民会館廃止条例や「新たな文化拠点」検討予算3000万円など一部の予算・議案に反対しました。
 酒井県議は、県民のコンセンサスを得るための丁寧な説明がないままの廃止判断は拙速だと厳しく批判。県民アンケートを行い、文化審議会から意見を聴取したというが、建築の専門家や一般県民の声をもっと聴くべきだったとのべました。
 市民団体から4年前に県民会館活性化案が提出され、最近も改修費縮減案が出されたのに、検討が不十分だったと指摘。竣工(しゅんこう)から50年余りしかたっておらず、県有施設長寿命化指針にも逆行すると強調しました。140年前に建てられた前橋の臨江閣が老朽化などを理由に三度も解体の危機に見舞われたものの克服し、国指定重要文化財になったことなど県内外の取り組みを紹介。近現代建築を保存活用するため、用途変更の可能性も視野に検討するよう求めました。
 この他、消費税5%への引き下げ・インボイス制度の廃止を求める請願、従来の健康保険証の存続を求める請願、選択的夫婦別姓制度の実現を求める請願、高額療養費負担上限引き上げの撤回を求める請願などの採択を主張しました。
( 2025年06月18日  首都圏版掲載 11頁)

◎生活保護基準、減額前に戻せ/前橋地裁判決に全生連

 群馬県内の生活保護利用者が国の生活保護費引き下げの取り消しを求めた裁判で、前橋地裁が11日に出した原告勝利判決を受け、生存権を守るぐんまの会(石田清人代表)と全国生活と健康を守る会連合会(全生連・吉田松雄会長)は同日、声明を発表し、国に対し早急に保護基準を減額前に戻すよう求めました。
 声明は、生活保護制度が他の制度と連動しており、国民生活全般に極めて重大な影響を及ぼすと指摘。判決について、「格差と貧困が拡大固定化する中で、生活保護制度の重要性を再認識させるもの」だとしています。
 そのうえで国に対し、(1)直ちに基準を引き下げ前の2012年時に戻すこと(2)物価高騰に見合う10%以上の大幅な基準引き上げ(3)次回基準改定は、「健康で文化的な生活」水準を保障することのできる新たな方法で行うこと―を要望しています。
( 2025年06月14日  社会面  掲載 13頁 著作権=赤旗)

◎映画『レッドパージ』と講演で人権侵害を考える 群馬・沼田市

8日(日)に「利根沼田よい映画を見る会」が主催した、「ドキュメンタリー映画『レッドパージ』〜今に続く負の遺産〜」上映会は沼田市内で開かれ、65人の来場者が集まりました。この映画は、1949年から51年にかけて、日本共産党員やその支持者が、職場を不当に追われた「レッド・パージ」を被害の当事者や研究者などの証言を通じて、明らかにしたドキュメンタリーです。「レッドパージ」は戦後最大の人権侵害・思想弾圧事件とも言われます。映画を上映した後、レッドパージ被害者救済群馬連絡会会長の吉村駿一弁護士が「憲法13条の幸福追求権とレッドパージ」と出した講演がおこなわれました。
 
「レッドパージが今の憲法のもとでおこなわれていたことに気づきました、こういう事態を繰り返させないためにも政治に関心を持ち続けていくことが大切だと思いました。」「講演では、冤罪が生まれる仕組みなどを考えさせられました。真の国民主権を貫き通す闘いをしていかなければと思いました。」「会場にお花がたくさんあって、朗読の『母』がとても良かった。母の思いが伝わり、映画も深められました。」などと参加者からの感想が寄せられました。

2025年06月10日 群馬県委員会)

◎生活保護減額取り消し/裁量権の範囲を逸脱/前橋地裁

 群馬県内の生活保護利用者が国の生活保護費引き下げの取り消しを求めた裁判で、前橋地裁は11日、国の判断は違法だとして、保護費引き下げを取り消す判決を言い渡しました。
 この裁判は、群馬県内の生活保護利用者10人(2014年提訴時)が、高崎、伊勢崎、みどり、沼田、桐生の5市を被告として、2013年から3回に分けて行われた生活保護費引き下げの取り消しを求め、国には国家賠償を求めたものです。
 判決は、「デフレ調整」という国が引き下げの根拠とした消費実態の計算の問題点を指摘し、違法性を認定。厚生労働相の判断過程と手続きに明らかな誤りがあり、裁量権の範囲逸脱・乱用であるとしました。
 一方、本判決は国家賠償請求を認めませんでした。
 原告の弁護団は国の「デフレ調整」の問題点を指摘した判決について、「生活保護世帯と一般世帯の消費水準が異なる上にテレビなどの家電用品の消費を過度にみた点が認められた」と評価しました。
 裁判を傍聴したジャーナリストの白井康彦氏は「とにかく、生活保護基準引き下げには十分な根拠が存在しなかったことがはっきりしました」と語りました。県外からも多くの支援者が駆け付けました。
 全国29地裁に提起された同様の訴訟で原告勝訴は20件目。今月下旬には最高裁が、この生活保護費引き下げが違法かどうか、判決を言い渡します。
( 2025年06月13日  社会面  掲載 13頁 著作権=赤旗)

◎群馬「女性強そう」/首相、差別意識ないと釈明

 石破茂首相は7日に前橋市で地方創生に関する視察を行った際、「われわれ西日本の人間は、北関東と聞いただけで何か怖そう、群馬県と聞くと怖い人がたくさんいそうというのがある」と述べました。「女性強そうみたいな。引いちゃうところがある」とも語りました。
 地元経営者との意見交換の場で発言しました。首相はこの後、記者団に発言の真意を問われ「(群馬名物に関する)『かかあ天下と空っ風』はみんなが知っている。女性が芯が強くて地域を支えているという意味合いだろうが、そこに差別という意識は全くない」と釈明しました。
( 2025年06月08日  日刊1面 掲載 01頁 著作権=通信社及び外部) 

◎地域発/群馬・桐生市の異常な生活保護/市民立ち上がり変化/窓口から怒声消え利用者急増

全額渡さず1日1000円支給、無断で受領簿押印、暴言の嵐
 群馬県桐生市の異常な生活保護行政。明らかになったきっかけは一昨年(2023年)11月21日に群馬司法書士会副会長の故仲道宗弘氏と当事者A氏が桐生市に対して生活保護行政の運用改善を求めたことでした。桐生市は、利用者に1日につき1000円の分割支給。それもハローワーク来訪の押印が必要で、残りの金額は金庫に保管して渡さないというものでした。いま、専門家や市民団体、日本共産党市議団・県議団が生活保護行政の改善を求めて運動しています。
 長谷田直之・党国会議員団群馬事務所長

10年で利用者半減
 一昨年12月18日に桐生市は調査結果(記録のある5年分)を発表。分割支給は1世帯だけでなく14世帯あった上に11世帯には全額渡していませんでした。市は認印を1944本(後に1948本)保有しており、86世帯に対しては本人に無断で受領簿に押印していました。荒木恵司市長は謝罪とともに再発防止へ向け、第三者委員会の立ち上げなどを約束しましたが、10年で保護利用者が半減(1163人→547人)したことなどについて作為はないとしました。
 「全国生活と健康を守る会連合会」は、桐生市の事態を生活保護制度の崩壊につながると危惧して、経験ある専門家・研究者に調査への協力を呼びかけました。井上英夫金沢大学名誉教授を団長とする「桐生市生活保護違法事件全国調査団」が結成され、昨年3月に市、県、国に公開質問状を送り、4月5日の市民集会を準備・開催しました。その後も問題提起と監視を続けています。現地で昨年6月に「桐生市生活と健康を守る会」が発足し、調査団・党市議団と連携しています。
 第三者委員会は4人で構成され、吉野晶弁護士を委員長に選出し、昨年3月27日から計8回開催。今年3月28日に92ページある報告書を市長に提出し、「生活保護法違反であるばかりか、憲法25条の趣旨にも合致しない」「組織的な不正」と市を断罪しました。
 第三者委員会は今年の1月6日から23日まで市民に情報提供をよびかけ、100件の情報が3月14日に公開されました。職員による「ろくでもねぇ」「あいつらはくず」といった怒号、暴言は当たり前、理由なく申請を受け付けない、突如の利用停止や辞退強要がありました。金銭管理団体と結託した1日1000円支給や警察OBの脅しなども。6人の市職員が投稿し「恫喝(どうかつ)、罵声は日常茶飯事」「自浄作用がない」と批判しました。
 第三者委員会の報告書を受けて、市長は利用者半減について「申請権の侵害が生じていたことが大きな要因」と水際作戦を初めて認め、改めて謝罪。5月9日には市長・副市長への処分(各30%・20%の半年間減給)が市議会で決まり、当時の管理職ら7人への処分(1カ月10%の減給6人と戒告1人)も12日に発表。しかし、退職者への処分はありませんでした。
 昨年9月NHKの『クローズアップ現代』は桐生市問題を取り上げ新聞各紙も特集。小林美穂子・小松田健一共著『桐生市事件 生活保護が歪められた街で』(地平社)が3月に刊行されました。市民団体「生活保護情報グループ」は自治体ごとに2012年度から21年度まで10年間の増減を表示できる「生活保護率増減マップ」を昨年9月公開しています。
 桐生市の保護利用者が市に損害賠償を求めた民事訴訟は5月16日第5回口頭弁論がありました。第三者委員会の報告書提出や処分後の裁判として注目されましたが、市は原告と争う姿勢を変えませんでした。また、刑事告発では保護利用者が勝手に押印されたとして私文書偽造などで職員2人を告訴しています。
市民団体と県懇談
 いま桐生市の生保窓口から怒声がなくなり、市民が喜んでいます。昨年度から新規利用者が急増しました。5月21日県内五つの市民団体と党県委員会が県地域福祉課と懇談。県の監査が見抜けなかったこと、県の生活保護受給率が全国の半分以下、車の保有容認が近隣県よりかなり低いことなどの根底に憲法25条や生活保護制度への無理解があると指摘し、外部講師による研修などを提案しました。

桐生市生活保護行政問題

2023年
11月 群馬司法書士会の故仲道宗弘氏と当事者A氏が生活保護行政の運用改善を求め、桐生市の違法な運用が判明
12月 桐生市が運用実態の調査結果を発表

24年
3月 桐生市生活保護違法事件全国調査団が市、県、国に公開質問状
3月 第1回第三者委員会開催
4月 市民集会
6月 桐生市生活と健康を守る会発足
9月 「生活保護率増減マップ」公開

25年
3月 第三者委員会報告書提出
5月 市長、副市長、管理職職員の処分発表
5月 生活保護利用者の市への損害賠償請求裁判第5回口頭弁論
5月 市民団体と共産党県委員会が県と懇談
( 2025年06月08日  日曜18面掲載 18頁)

◎事案「氷山の一角」/桐生市生活保護で見解

 群馬県桐生市で生活保護利用者に保護費を分割で支給するなど異常な行政が行われていたことを巡り、桐生市生活保護違法事件全国調査団は5日、厚生労働省と同市に要望書を手渡しました。調査団は同日、同市の第三者委員会が出した同事件に関する報告書(3月)について、「見解と要望」を発表し、厚労省で記者会見しました。
 第三者委員会の報告書は、同市福祉事務所が保護費を1日1000円しか支給せず、支給すべき残額を金庫に保管していた行為について、組織的不正であり生活保護法違反だと断じています。この認定について調査団は、「検証事案が氷山の一角であることを示すもの」だと指摘しました。
 調査団は第三者委員会の報告書について、保護辞退による保護廃止数の多さや家計簿の提出を保護継続の条件としていたことなど、検証されなかった問題が多くあると強調。すべての窓口相談の録音・録画や保護利用者を支援する体制の整備など、報告書が提案した再発防止策の着実な実施を求めました。
 同市の保護世帯数は、2011年から23年で約半分に減少しています。厚労省への要請で調査団は、各地で保護利用を阻んでいる事案があるとして、監査を根本的に見直すよう訴えました。同省の担当者は「全国に類似の事案がある」と認めたといいます。
 全国生活と健康を守る会連合会の吉田松雄会長は「調査にもとづいた事実で厚労省を動かしたことを確信にしたい」と話しました。
 日本共産党の渡辺恒桐生市議が同席しました。
 同市への要請で井上英夫代表は「申し入れを改善に生かせば、悪いモデルの桐生市が良いモデルに生まれ変わります」と話しました。関口直久党市議団長が同席しました。
( 2025年06月07日  社会面  掲載 13頁 著作権=赤旗) 

◎軍事と福祉、両立不可/総会で記念講演/前橋革新懇

 前橋市革新懇話会(前橋革新懇)は5月31日に前橋市内で総会・記念講演を開催し、45人が参加しました。
 山田博文群馬大学名誉教授が「トランプ関税・大軍拡で経済と暮らしはどうなる(―世界から孤立する米国・大軍拡で生活破壊とアジアからの孤立VS米日軍需大企業の繁栄―)」と題して記念講演を行いました。
 講演で山田氏は、トランプ高関税はグローバル経済を壊し、米国内の物価をつり上げ、対米輸出国の日本は景気の後退、不況と物価高が暮らしを襲うと指摘、米の貿易赤字は世界の人が買いたい製品をつくらない米国自身のせいで、製造業より金融ビジネスで世界から米国への富の集中を行った結果であると説明しました。
 山田氏は、日本は米国に従属して防衛予算を2倍化する軍拡路線を歩む一方で、社会保障や生活関連予算を削減していると批判し、軍事と福祉は両立不可能と強調しました。また、日本の最大貿易国は中国であり、米に追随し「仮想敵国」にしてはいけないと説明しました。
 山田氏は、今後の日本には、社会保障の充実と賃上げによる物価・不況対策で安定成長を実現することが必要と指摘。憲法9条と25条を守る市民運動は、アジアの平和と日本経済の再生を先取りする先進的な市民運動であると参加者を励ましました。
 ある参加者は「中国を敵視して軍拡を進めることが間違っていることがよくわかりました」と話しました。
 総会では昨年誕生した小川晶・前橋市政への取り組みなど活動方針と役員を決めました。
( 2025年06月07日  首都圏版掲載 11頁)